「米は毎年植え替えるもの」は変わるかもしれない――稲の多年生化への鍵を発見
「米は毎年植え替えるもの」は変わるかもしれない――稲の多年生化への鍵を発見 / Credit:Resetting of a tandem microRNA156 enables vegetative perennial growth in rice
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「米は毎年植え替えるもの」は変わるかもしれない――稲の多年生化への鍵を発見 (2/3)

2026.03.21 21:00:39 Saturday

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稲を若返らせる遺伝子の秘密

稲を若返らせる遺伝子の秘密
稲を若返らせる遺伝子の秘密 / 野生イネ由来の EBT1 領域(重要な2つのRNA領域を含む)をふつうの栽培イネ (GLA4) に戻したとき、見た目がどこまで野生型に近づくかを示した写真です。3つの補完系統のうち CP-3-3 は、枝が多く草むらのような姿を見せました。しかもこの系統は、収穫後にも二次分げつを何十本も出しました。Credit:Resetting of a tandem microRNA156 enables vegetative perennial growth in rice

研究チームは、この不思議な性質の原因をたどり、植物遺伝子の中にある重要な場所へ行き着きました。

そこにあったのは、二つ並んだ小さなRNA遺伝子です。

ふつうの栽培イネでは、この仕組みは花がつくころに弱まり、植物は「もう成長は終わり」という段階に入ります。

ところが野生イネでは、一度弱くなったこの働きが、花が咲いて種をつけたあとにもう一度強まりました。

すると植物は、再び葉や枝を伸ばし始めます。

つまり、成長の流れを巻き戻すように若返っていたのです。

さらに研究者たちは、遺伝子そのものだけでなく、その周りの状態まで調べました。

遺伝子は、いつでも同じように働けるわけではありません。

本棚の扉が閉まっていれば本を取り出しにくいように、遺伝子も閉じた状態では働きにくくなります。

今回の研究では、野生イネではこの部分が開きやすくなっていました。

そのため、若返りに関わる仕組みが、収穫後にもう一度動きやすくなっていたのです。

今回の成果が重要なのは、ただ「若返る遺伝子」を見つけただけでなく、それがなぜ再び動き始めるのかまで踏み込んで示した点にあります。

言いかえれば、米を長生きさせるための「部品」だけでなく、「その部品をいつ動かすか」というタイミングの仕組みまで見えてきたのです。

次ページ「長生きする米」を実際につくりだすことに成功した

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