女性の猛獣戦士は「予想よりも長く」存在していたかもしれない
この研究の大きな意義は、古代ローマで女性が猛獣と戦っていたことを、初めて視覚資料から論じた点にあります。
これまで女性が猛獣戦に参加していたこと自体は文献から知られていましたが、実際にその姿を示す具体的なイメージは確認されていませんでした。
今回の研究は、失われたモザイクの記録をもとに、その空白を埋める可能性を示したのです。
しかも、このモザイクは3世紀のものです。
これまで女性剣闘士は西暦200年までに姿を消し、女性の猛獣戦士もそれ以前の時代の存在だと考えられていました。
もし今回の解釈が正しければ、女性の猛獣戦士はそれまで考えられていたよりも長く、少なくともさらに約1世紀はローマの闘技場に存在していたことになります。
これは、女性が闘技場に立つ文化の歴史を考え直す材料になります。
この人物が上半身を露出しているように描かれている点も重要です。
研究者によると、これは女性であることを観客に分かりやすく示すための表現であると同時に、観客に性的な興奮を与える意図もあった可能性が高いとされています。
ただし、下半身の部分は失われているため、全体としてどのような服装だったのかまでは分かりません。
つまり、「女性だと分かるように描かれている」という点は強く示唆されるものの、細部まで完全に再現できるわけではないのです。
もちろん、この研究には慎重に見るべき点もあります。
最大の弱点は、モザイクの現物がほぼ失われていて、19世紀の写しに頼らざるを得ないことです。
写しがどこまで正確なのかという疑問は当然残ります。
ただ、論文では、生き残った断片とロリケの写しがよく一致していることも示されており、写しが大きく事実を歪めている可能性は高くないと考えられています。
だからこそ今回の報告は、「非常に有力な再解釈」として受け止めることができます。
古代ローマには、私たちが予想していた以上の期間にわたって、過酷な戦いを行った女性戦士たちが存在していたのかもれません。



























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