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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
psychology

なぜ普通のいい人が悪に加担してしまうのか (2/3)

2026.04.04 12:00:51 Saturday

前ページ実験参加者は「命令に従った」のではなかった?

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悪に加担させるのは「圧力」と「沈黙」

では、なぜ人々は行為をやめなかったのでしょうか。

研究者たちは、その原因を「環境の変化」に見出しました。

ミルグラム実験では、参加者が電気ショックを与えるのをためらうと、実験者は次のように段階的な指示を出します。

「続けてください」

「実験には続行が必要です」

「続けることは不可欠です」

「あなたには他に選択肢はありません」

このように、前進する方向には強い圧力がかけられていました。

一方で、奇妙なことに、参加者が手順を破っても実験者は何も言いませんでした。

訂正もしなければ、中断もしないのです。

つまり、

・「続けろ」という圧力は強くかかる

・しかし「実験の手順が正しいかどうか」は放置される

という状況が生まれていたのです。

この結果、実験は徐々に「科学的な目的」を失っていきます。

最初は記憶実験だったはずが、気づけばただ「人に苦痛を与える行為」だけが残る状態になっていたのです。

研究者たちはこれを「正当な暴力から不当な暴力への移行」と呼びます。

重要なのは、この変化がほとんど意識されないまま起きる点です。

参加者にとっては、突然「悪いことをしている」と感じる瞬間があるわけではありません。

むしろ、ただ流れの中で行動を続けている感覚に近いのです。

そしてもう一つ、非常に重要な発見があります。

電気ショックを与え続けた人たちは、冷酷な人間だったわけではありませんでした。

むしろ、協調性が高く、ルールを守ろうとする「まじめで良い人」ほど従いやすい傾向があったのです。

一方で途中でやめた人たちは、特別に勇敢だったわけではありません。

彼らはただ、「これはまだ意味があるのか?」という問いを持ち続けていました。

つまり、電気ショックを与え続けた人たちとの違いは、強さではなく「疑問を持って、考え続けたかどうか」だったのです。

次ページ悪は特別な人が生むものではない

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