原因は「歯」ではなく「顎」にあった
現代人の歯並びの問題を考えるとき、つい「歯の大きさ」や「歯の生え方」に注目してしまいます。
ですが今回の話で重要なのは、歯そのものが変わったわけではない、という点です。
専門家の説明によると、人間の歯の大きさは昔と比べて極端に変化したわけではありません。
一方で、顎は昔の人よりも小さくなっていると考えられています。
つまり、昔とあまり変わらないサイズの歯を、より小さなスペースの中に並べなければならなくなったわけです。
その結果として起きるのが、歯の重なり、ねじれ、ズレです。
歯がきれいに一列に並ぶには、当然ながら十分な場所が必要です。
しかしその場所、つまり顎の大きさが足りなくなると、歯は押し合いへし合いしながら生えることになります。
これが、現代人に矯正が必要になりやすい大きな理由です。

では、なぜ顎だけが小さくなったのでしょうか。
ここで登場するのが食生活です。
古代人は、現代人のようにやわらかく加工された食品を食べていませんでした。
肉、植物の繊維、根菜など、しっかり噛まなければ食べられないものが多く、毎日の食事そのものが顎にとってかなりの運動になっていたのです。
骨は、負荷がかかることで発達しやすくなります。
体を鍛えると筋肉や骨が刺激を受けるのと似たように、よく噛むことは顎の成長を促します。
古代人は食事のたびに自然と顎を使っていたため、顎が大きく、しっかり発達しやすかったのでしょう。
言い換えれば、古代人は「顎のトレーニング」を毎日食事でこなしていたようなものです。
そのため歯が並ぶためのスペースが十分に確保され、矯正を必要としにくかったと考えられるのです。





























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