「涙」は自分の評判が傷つくが、相手の評判も傷つける
続く研究では、参加者に「もし自分がその対立の当事者だったら」と想像してもらい、自分が泣くか、怒鳴るか、冷静でいるかを考えさせました。
さらに、それぞれの反応が自分と相手の評判にどう響くと思うかも答えてもらいました。
すると参加者は、冷静でいることが最も自分の評判を守りやすいと考えていました。
一方で、泣くことは自分の評判を下げるものの、相手の評判を最も傷つけやすいと予想していました。
つまり人々は直感的に、「冷静さは自分を守るが、涙は相手にも不利益を与えやすい」という構図をある程度わかっていたのです。
さらに最後の研究では、参加者に実際の過去の対立経験を思い出してもらいました。
相手が泣いた場面、怒鳴った場面、冷静だった場面を振り返ってもらい、その時に自分がどれほど罪悪感を抱いたか、また中立的な第三者なら自分と相手をどう見ると思うかを答えてもらったのです。
その結果、相手が泣いたときには、参加者はより強い罪悪感を感じやすくなっていました。
また、中立的な観察者から見ても、自分のほうが不利に見られるだろうと感じる傾向も強くなっていました。
これらの結果をまとめると、少なくとも今回の研究では、冷静に振る舞う反応は自分の評判を比較的守りやすいこと、泣く反応は自分にも不利益をもたらしつつ、相手の評判まで下げやすいことが示されています。
反対に、怒鳴る行為は評判という面では最も不利で、相手の評判を下げる効果もあまり強くありませんでした。
もちろん、この研究には限界もあります。
前半の研究の多くは想定シナリオを使っており、現実の対立の激しさや複雑さをそのまま再現したものではありません。
また、参加者はすべてアメリカ在住であり、感情表現への評価は文化によって変わる可能性もあります。
研究チームは、今後はより現実に近い状況や、文化の異なる集団でも確かめる必要があると述べています。
それでもこの研究は、対立の場で流れる涙は、自分の評判を傷つける一方で、相手の評判まで揺らしかねない、まさに“諸刃の剣”であることを教えてくれます。
仮に、自分の評判を気にしない”捨て身の人”であれば、「涙」は相手を陥れる最強の武器となるかもしれません。





























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