むしろ「悪意ある独創性」と結びつきにくくなる可能性も
第1の研究では、もともとの攻撃性が高い人に限って、true crime を多く消費するほど、仕返しアイデアの「数」は増える傾向がありました。
けれども、ここで増えていたのは主に発想の量であり、それがより悪質になるとか、より独創的になるとまでは言えませんでした。
さらに興味深かったのは、一般的な創造性との関係です。
ふつう、創造性が高い人ほど、悪意ある発想でも独創的な答えを出しやすくなります。
ところがこの研究では、true crime を多く消費している人では、むしろ、その結びつきが弱まる傾向が見られました。
第2の研究でも、大きな流れは同じでした。
true crime の人気そのものが、悪意ある創造性を強く押し上げる証拠はほとんど見つからなかったのです。
では、いったいなぜこのような傾向が見られたのでしょうか。
研究者らは、true crime の視聴者や読者は、単に暴力を楽しんでいるのではなく、「知識を得たい」「危険に備えたい」あるいは「被害者への共感や社会的関心」からこの種のコンテンツに触れている可能性があると論じています。
つまり、現実の犯罪を知ることが、そのまま危険な発想の練習になるとは限らないのです。
むしろ現実の重さを意識することで、悪意ある方向へ創造力を使いにくくなる可能性も考えられます。
ちなみに、第2の研究では、true crime よりもフィクションのホラー嗜好の方が、悪意ある創造性と強く関係していました。
研究者たちは、ホラーの方が現実の制約を受けにくく、より奇抜で極端な発想に触れやすいからではないかと考えています。
現実の犯罪は生々しい一方で、発想の幅そのものは意外と限られているのかもしれません。
今回の研究にはいくつかの限界がありますが、少なくとも、「実在の犯罪を扱うコンテンツに多く触れることが、その人の思考を危険にするとは言えない」と分かりました。



























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実録犯罪番組の視聴者は
>「知識を得たい」「危険に備えたい」あるいは「被害者への共感や社会的関心」からこの種のコンテンツに触れている可能性がある
>むしろ現実の重さを意識
しているからこそ、現象的な視点を保ったまま、良識を失わずにいられるのでしょうね。
ホラー映画のような創作にのめり込む人の方が、良識を失いやすいのかも。