問題は昼寝そのものではなく、「増え方」と「時間帯」
今回の研究でまず注目されたのは、昼寝の長さです。
分析の結果、1日あたりの昼寝時間が1時間長いごとに、死亡リスクは相対的に13%高い傾向がありました。
また、昼寝の回数についても、1日に昼寝が1回増えるごとに、死亡リスクは相対的に7%高い傾向がありました。
さらに興味深いのが、昼寝の時間帯です。
午前中に昼寝のピークがある人は、早い午後に昼寝する人と比べて、死亡リスクが相対的に30%高い傾向がありました。
では、なぜ午前中の昼寝が気になるのでしょうか。
研究者たちは、午前中の昼寝が、睡眠の質の低下、体内時計の乱れ、慢性疾患、あるいは本人がまだ気づいていない健康問題を反映している可能性を考えています。
たとえば、夜に十分寝ているつもりでも、睡眠中に呼吸が何度も止まりやすくなる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」のような睡眠障害があると、眠りの質は大きく下がります。
その結果、日中に強い眠気が出て、昼寝が増えることがあります。
また、心臓や血管の病気、呼吸の病気、糖尿病、慢性的な痛み、気分の落ち込み、神経変性なども、日中の疲れや眠気を強めることがあります。
この場合、昼寝は原因というより、体の中で起きている問題を映す「見えるサイン」だと考えた方が自然です。
研究チームも、昼寝が死亡リスクを直接高めると主張しているわけではありません。
むしろ、何らかの健康問題を抱えているがゆえに、昼寝が増えている可能性があるのです。
では、高齢期の本人や家族は、この研究をどう受け止めればよいのでしょうか。
まず、短い昼寝を必要以上に怖がる必要はありません。
疲れた日に少し眠ることや、昼食後に短く休むことは、多くの人にとって自然な行動です。
問題は、高齢期に入ってから、以前より明らかに昼寝が長くなったり、1日に何度も寝るようになったり、午前中から強い眠気に襲われたりする変化です。
もし高齢の家族が「最近、昼間によく寝るようになった」と感じるなら、それを単に「年を取ったから」と片づけないようにしましょう。
夜の睡眠の質、日中の疲れやすさ、薬の影響、慢性疾患、認知機能の変化などを確認するきっかけにしてみてください。



























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