絶滅寸前だったバイソンと、失われた草原を取り戻す取り組み
バイソンは北アメリカ最大の陸上動物です。
かつてバイソンは、北アメリカに数千万頭規模で生息し、巨大な群れを作って草原を移動していました。
特に先住民文化にとって、バイソンは食料や生活資源であるだけでなく、精神的・文化的にも重要な存在でした。
しかし1800年代、アメリカ西部への進出が進む中で、バイソンは組織的な大量殺戮と生息地の喪失によって激減しました。
アメリカ魚類野生生物局によると、1889年にはアメリカ西部の一部に数百頭の野生バイソンが残るのみとなっていたとされています。

その後、20世紀初頭から保全用の群れが作られ、長い保全活動によって個体数は少しずつ回復しました。
現在では、北アメリカの保全群に約2万500頭、商業群に約42万頭のバイソンがいるとされています。
今回の白い子バイソンが生まれたニール・スミス国立野生生物保護区も、こうした回復の現場の一つです。
同保護区では1992年以降、かつて農地だった土地を、アイオワ州本来の草原やサバンナへ戻す大規模な再生事業が続けられています。
現在は、およそ5600エーカーの草原とサバンナが管理されており、在来植物の種まき、計画的な野焼き、外来種の除去、バイソンやエルクの再導入などが行われています。
バイソンは、この草原再生において重要な役割を担っています。
草を食べることで特定の植物が広がりすぎるのを防ぎ、体に付いた種子を運び、地面を転げ回る行動によって土壌にも変化を与えます。
つまりバイソンは、ただ保護される動物ではなく、草原そのものを形づくる一員なのです。
今回誕生した白い子バイソンは、保護区の800エーカーの囲い地の中で、ほかの群れとともに草原を歩いています。
その姿は、かつて失われかけた北アメリカの生態系が、少しずつ息を吹き返していることを感じさせます。





























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