「6174の魔法」を生む数遊び、その奥に「2倍に仕組み」を隠していた
「6174の魔法」を生む数遊び、その奥に「2倍に仕組み」を隠していた / Credit:Canva  
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「6174の魔法」を生む数遊び、その奥に「2倍に仕組み」を隠していた (2/7)

2026.06.24 20:05:15 Wednesday

前ページざっくり解説する「6174魔法」の正体

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「6174の魔法」はどこから来るのか?

「6174の魔法」はどこから来るのか?
「6174の魔法」はどこから来るのか? / Credit:Canva

ざっくり解説でも示した通り「6174の魔法」を体験するのは、小学生でも可能です。

しかしこの「6174の魔法」は本当に数の世界で普遍的なものなのでしょうか?

それとも、何か特別な事情があってのことなのでしょうか。

実は、私たちが当たり前のように使っている6174という数字は、「10進法」というルールに従った書き方なのです。

(いうまでもありませんが)10進法では0、1、2……と数えていって、9の次はケタが一つ上がって「10」と書きます。

人間がこの10進法を使っているのは、おそらく指が10本あるからでしょう。

でも、これは決して絶対のルールではありません。

もし指が7本の宇宙人がいたら、彼らはきっと「7進法」で数えるはずです。

7進法の世界では、箱の中に入る数字は0から6まで。

6の次は、もうケタが上がって「10」になります。

ですから、もし「1、2、3、4、5、6、10、11……」と数を数えている人がいても、その人は数を数えられないわけではありません。7進法を使っているのかもしれない、というわけです。

さらに5進法は0〜4までの世界です。

こうなると6174という数字の普遍性に疑問符がつきます。

5進法では「6」も「7」も1ケタの数字として使えず、そのままの形では「6174」という数字を書くことすらできないからです。

私たちが「数字の魔法」だと思っていた6174という数字の形は、実は10進法という一つの言語の中だけに住んでいる、固有の住人だったのです。

(※念のために補足すると、6174という「大きさ」そのものは、どの進法でも表せます。たとえば2進法なら「1100000011110」で5進法なら「144144」と書けます。ただしケタ数を見てわかるように、これは「4ケタの数字で遊ぶ」というこのゲームのルールからは外れてしまいます。そういうわけで6174は10進法だけの住人なのです。)

では、他の進数世界には、6174のような”4ケタの終着点”が存在しないのでしょうか?

答えは「形を変えて、ちゃんと存在する」です。

10進法の6174は、いわば「どん詰まりの終点」です。一度たどり着いたら、その先はずっと6174のまま動きません。一本道の終わりに、ぽつんと立っている駅のようなものです。

ところが、たとえば7進法の世界をのぞいてみると、終着点の姿がまるで違います。

7進法では、ある4ケタの数字から操作を続けていくと、最後は「5520」「5322」「5430」という3つの数字のどれかにたどり着きます。

そしてさらに同じ操作を続けると

5430 → 5520 → 5322 → 5430 → ……

と3つの数字の中を、永遠にぐるぐると回り続けるのです。

10進法が「6174という一つの終点で止まる一本道」だとすれば、7進法は「終点が山手線のように輪になっていて、ぐるぐる回り続ける環状線」なのです。どん詰まりではなく、永遠のループ。これが奇数の世界の終わり方です。

(※5520・5322・5430は、いずれも4つの数字を大きい順に並べた表記です。実際に手元で 5430 − 0345 を引くと 5052 になりますが、これを大きい順に並べ直すと「5520」。論文も同じ書き方で巡回を表しています。)

さらに進法によって、終わりの無限ループが3つではなく5個で巡る世界もあります。

一見すると、これはただの「世界ごとにバラバラな現象」のようです。

7進法には7進法の、11進法には11進法の、それぞれ別々のループ的な終わり方があるだけ――そう思えてきます。

ところが、今回の研究チームが発見したのは、まさにこの常識をくつがえすものでした。

5進法、7進法、9進法、11進法……と、3より大きいすべての奇数の進法世界において、終わり方の奥に、たった一つの共通の仕組みが動いていたというのです。

終わり方の姿は、たしかに世界ごとに違います。

けれど、そこに至るまでの舞台裏の動き──「ある数字の次にどの数字が出てくるか」を決める仕掛け──は、どの奇数進法世界でも、まったく同じ形をしていたのです。

普遍だったのは「数字の形」ではなく、「答えを生み出す機械」のほうだったのです。

では、その機械の正体は何だったのでしょうか?

次ページ「数を見るのをやめる」のがヒントだった

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