裏に隠れていた原理をあぶり出す

カプレカの不思議が「1位と4位の差」と「2位と3位の差」という2つの差だけで見えるようになったのはわかりました。
次に研究者たちは奇数の進数世界のそれぞれについて、「1位と4位の差」を縦軸、「2位と3位の差」を横軸にとって地図を作りました。
すると、その世界に登場するあらゆる4ケタの数字が、ある三角形の内側のどこかに、必ず居場所を持つことがわかったのです。
10進法でも、7進法でも、11進法でも──進数世界それぞれで、大きさは違うものの、必ず三角形の地図が描けます。
その三角形は、その世界に存在する4ケタの数字たちの”戸籍簿”のようなものです。
たとえば、
- 8532は「縦6・横2」
- 7421も「縦6・横2」
- 1939は「縦8・横6」(1位と2位が共に9だから)
こうして、すべての4ケタの数字が、地図の上のどこかにポツンと置かれていきます。
ここで、カプレカ操作をもう一度見てみます。
並べ替えて引くと、別の4ケタの数字に変わる。その答えをまた並べ替えて引くと、さらに別の数字に変わる。これをくり返す遊びでした。
地図の上で見ると、これは「ある点から、次の点へと飛び移っていく旅」になります。
たとえば3524から始めれば、
3524 → 3087 → 8352 → 6174
と、地図の上を3回ジャンプして、最後に「6174の点」にたどり着く、というわけです。
そして、この旅は必ず、一つの点で止まるか、決まった輪の中をぐるぐる回り続けるか、どちらかに落ち着きます。
ここで研究者たちがまず証明したのは、地味に見えて、恐ろしく強力な事実でした。
それはゾロ目でないどんな4ケタも、カプレカを最大3回行うだけで、2つの値(「1位と4位の差」と「2位と3位の差」)がともに奇数で、しかも互いに違うものになることが示されたのです。
そして、このときの2つの値が示す平面上のポイントは、三角地図のでも特別な区画(秩序の区画)の中に位置することもわかりました。
(※「3回で6174になる」という意味ではありません。差によって示される平面上のポイントが3回で特別な区域にいくという話です。)
なんだか拍子抜けする話に聞こえるかもしれません。
4ケタの数字にはもう触れられず差の数値の平面上の位置ばかり話されても「だから?」と言いたくなるでしょう。
しかし実は、この領域に入った数字たちは、そこから先、ある決まった単純なルールにだけ従って動くようになるのです。
あちこち気まぐれに飛び回っていた数字が、いったんこの領域に入ると、もう迷子になりません。
次にどこへ行くか、その次にどこへ行くか、すべて計算で見通せるようになるのです。
そしてその「決まった単純なルール」こそが、カプレラの不思議の奥に隠れたルールだったのです。




















































