・かつてマダガスカルに生息していた史上最大の鳥類「エピオルニス」の化石から、人間の仕業とされる「切り傷」が見つかる
・当時島に人類は到達していないと考えられていたため、この発見がマダガスカルの歴史を変える可能性がある
・エピオルニスの絶滅や、その先史の人類については分かっていないことが多く、さらなる発見が待たれる
およそ1万年前にマダガスカルに生息していた、史上最大の鳥類エピオルニス、別名「エレファント・バード」の化石から、かつての人類がつけたとされる「切り傷」が見つかりました。しかし過去の研究では、人類がこの地に住み始めたのはもっと後です。この発見により、歴史が変わる可能性があります。
http://www.sciencemag.org/news/2018/09/new-find-clears-madagascar-s-first-settlers-wiping-out-world-s-largest-bird
研究者によると、この化石から、当時マダガスカルで人類がエピオルニスを狩り、食糧としていたことが伺えるとのこと。
これまでは、マダガスカルに初めて人類が足を踏み入れたのは2,500~4,000年前といった解釈がされてきました。しかし、発見された化石は約1万年前のものであり、これが事実であれば、マダガスカルにおける人類の歴史はおよそ6,000年も過去に遡ることとなります。
そして、人類は短期間にエピオルニスを狩り尽くしたわけではなく、およそ1,000年前に彼らが絶滅に追いやられるまで、近い距離で「共存」していたと考えられます。
つまり、当時の人類はエピオルニスや他の絶滅危惧種と9,000年以上もマダガスカルで共に暮らしていたにも関わらず、島の「生物多様性」へのネガティブな影響は最小限にとどめていたということです。
ちなみに、マダガスカルの固有種であるエピオルニスは、全長およそ3m、体重およそ500kgの巨体の持ち主。その「卵」は恐竜のものよりも大きかったとのことです。
エピオルニスの絶滅と、どのくらいの人類がそこに関わっていたのかについては多くの説があり、はっきりとしたことは分かっていません。また、その先史の人類がどこから来たのかについてもわかっておらず、さらなる考古学上の発見が待たれるところです。