黒い羽根1枚で、鳥の死はどこまで減ったのか?
結果は、はっきりしていました。
羽根を塗った風車では、塗らない風車と比べて、鳥の年間の衝突死が73.8%減っていたのです。
塗らない風車と比べたとき、4羽がぶつかっていたところが1羽ほどで済むようになった計算です。
1基あたりで見ると、塗った風車では年に約1.8羽だった死骸が、約0.3羽まで減りました。
塗らない風車でも年に約1.1羽から約0.7羽へと減っていました。
塗らない風車での減り方を差し引いても、塗った風車にははっきりした差が残ったのです。

研究チームは、黒い風車を避けた鳥が隣の風車にぶつかるようになっていないかも確かめました。
その結果、塗った風車の近くの風車で、死ぬ鳥が増えた様子は見られませんでした。
また、13年にわたる長い記録からは、鳥が黒い羽根に慣れて効果が薄れていく様子も見つかりませんでした。
季節ごとに分けた数字では、冬は100%、春は83%と大きく減っていました。
一方、夏は68%、秋は33%の減少にとどまり、季節によって差がありました。

では、どんな鳥がとくに守られたのでしょうか。
最も目立ったのは、小鳥と、サギやコウノトリの仲間といった大型の水鳥です。
この発電所では、アマサギが41羽、コウノトリの仲間のシュバシコウが25羽見つかっていました。
どちらも、羽根が回る高さで時間を過ごすことが知られている鳥です。
ところが塗った後の黒い羽根の風車では、大型の水鳥の死骸は1羽も見つからず、100%の減少となりました。
小鳥も、塗った後は年間の衝突死が74%減りました。
いちばん多く見つかった鳥は、ハタホオジロという地面近くを飛ぶ小鳥で、13年間で55羽です。
減った小鳥には、イエスズメのように低く飛ぶ種のほか、カンムリヒバリのように空を飛び回る種も含まれていました。
黒い羽根1枚で、大型の水鳥と小鳥の衝突は大きく減ったのです。





