大卒の肩書きは人に見せられるが、知能の高さは本人にもつかみにくい

大卒かどうかと知能テストの得点は、何が違ったのか?
研究チームが注目したのは、2つの物差しの「見えやすさ」の違いです。
大卒の肩書きは履歴書に書くことができ、周囲にも知られやすい、社会に認められた能力のサインです。
職業上の地位や収入とも結びつきやすく、それらはパートナー選びでも重視される要素です。
研究チームはもともと、こうした地位のサインを持つ人ほど、自分の見た目も高く採点すると予想していました。
一方、知能の高さは、他人からはもちろん、本人にもなかなかつかめません。
ファーナム氏自身も長年の研究で、人は自分のIQをあまり正確に見積もれないことを示してきました。
知能テストの得点が高い人の採点が、むしろ低かったことについて、研究チームはもう1つ推測を示しています。
知能の高い人ほど、自分の容姿を現実的に、そして正直に見ているのかもしれない、というものです。
容姿の自己評価と結びついていたのは、大卒かどうかだけではありません。
楽観的な人や、気分が安定していて打たれ強い人も、2つの調査の両方で自分の容姿を高く採点していました。
ただし、この研究には、外部の人が参加者の容姿を採点したデータがありません。
そのため、知能テストの得点が高い人の低い採点が、本当に正確な自己評価だったのか、単に自分に厳しすぎただけなのかは、まだわかりません。
それでも、同じ「頭のよさ」を表すはずの2つの物差しが、自分の見た目の採点では逆を向いていたことは、データに表れています。
自分の見た目に何点をつけるかには、鏡に映る姿だけでなく、履歴書に書ける一行も入り込んでいるのかもしれません。




