大学生でも結果にばらつき
このデータをもとに、大学生を対象に新たな研究も行われました。54人の大学生が、いくつかの異なる状況における96の励ましの言葉を評価。言葉の例は、ある性格特性を示す学生にはより強く訴えかけるようにわざと作ってあります。
例えば、「物事はなんでも最後はうまくいく」といった言葉は、楽観主義的な性格には強く働きかけるし、「友だちが君のことを気に入っていたから、僕たちと一緒に遊ばないか」といった言葉は仲間意識の強い学生に効果的でしょう。
評価付けの結果は、研究チームの予想したとおり、個人の性格特性と結びついており、ひとつの言葉に評価が一致することはありませんでした。
さらに研究チームは、調査の信頼性を高めるために、心理セラピスト33人を対象に心理カウンセリングの映像を見せて、励ましの言葉の評価付けを行っています。それでもやはり結果は同じで、評価基準は観察者の個性に大きく依存することが判明しています。
どんな言葉が助けになるのか、誰が最も頼りになるのかは、当たり前のことかもしれませんが人によりけりです。万人を元気づけるような共通の言葉はありません。悲しんでいる人を無理に励まそうとすること逆効果です。そんなときは、だまって側にいてあげることが、最良の支えとなるでしょう。