
■シマウマのシマの謎に迫る研究が、有力説に新たな証拠を提示した
■有力説では、シマは「吸血バエの着地」を避けるためのものであるとされる
■ シマがハエの「解像度の低い目」をくらませることで、体への着地を困難にしていることが考えられる
シマウマがなぜあんなにも鮮やかな「縞模様」を持っているのか、実ははっきりとしたことは分かっていません。しかし新たな研究が、そのストライプのナゾに迫る手がかりを示しています。そこで縞模様は、シマウマに致命的な病気を運んでくる吸血バエから逃れるためのものであると考えられているのです。
Benefits of zebra stripes: Behaviour of tabanid flies around zebras and horses
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0210831
近づくハエの数は同じだが…
研究者らは、ハエ(horse flyと呼ばれるもの)が「単色の馬」よりも、「シマウマ」に着地するほうが困難であることを証明するためのデモンストレーションをおこないました。実験では、馬にストライプ柄のコートと単色のコートをかけて観察を実施。その結果、ストライプ柄に着地したハエの数の方が少ないことが分かったのです。
実験を率いたカリフォルニア大学デービス校の行動生態学者であるティム・カロ氏は、「単色の馬でもシマウマでも、近づいてくるハエの数は変わりませんでしたが、ハエはシマウマへの着地が苦手でした。ハエはシマウマの前で上手な減速ができず、通り過ぎてしまったり、あるいはぶつかって弾かれることもありました」と語っています。