「忘れる意識」は強すぎても弱すぎてもダメ
さらに、「意識的な忘却」には、脳の感覚・知覚領域における「中程度(moderate level)」の活動レベルが重要であるのです。
というのも、忘れようとする意識が強すぎると、却って注意が向けられ、記憶の力が強められてしまいます。しかし、反対に、忘却の意識が弱すぎると、トラウマや苦い思い出を修正することができません。
つまり、「忘却」の狙いの重要性は、記憶力の活動をある程度強めて、消したい記憶を修正したり変形させるということなのです。
また、ピーコック氏は、「忘却」に関する研究が発展し、記憶を修正する良い方法が見つかれば、トラウマに悩む人々の新たな治療法として役立つかもしれない、と期待しています。
受験に苦労した方には驚くべき結果となったかもしれませんね。でも、忘れられない過去に苦しんだことのある方には希望が持てる話ではないでしょうか。
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/26053