「文化的な背景」による影響
前述したように、他にも産まれた順番が性格に影響するといった迷信を否定する研究は多く存在していますが、私たちの中にはすでに先入観があります。それについては、長男が家業や家の財産を相続してきたといったような文化的な背景が私たちの考え方に影響を与えている可能性があります。
また、私たちは「産まれた順番」と単なる「年齢」を混同しがちであるともSchmukle 氏は指摘します。たとえば真面目さや良心は、成長とともに育まれていくものです。年の差がある兄弟間で、そうした面での違いがあらわれるのは当然のことといえるのです。
マックス・プランク教育研究所の心理学者である Ralph Hertwig 氏は、子どもの頃の性格が産まれた順番から影響を受ける可能性は残るとしつつも、そうした影響も大人になれば関係がなくなるとしています。
Hertwig 氏は、「産まれた順番に関する研究は100年にわたります。その中で、私たちは真実へと近づきつつありますが、まだ完全に理解できたとはいえないでしょう」と語っています。