異なるほど良いMHC ただし、文化的慣行によって覆されることも
研究チームが用いたのは、アメリカ国立衛生研究所が管理するオンラインの遺伝学データベース”Database of Genotypes and Phenotypes”。ヨーロッパと中東(イスラエル)に住む800組以上のカップルから集めたゲノムデータを分析し、MHCの類似性を調べました。
その結果、平均すると、ヨーロッパ在住のカップルのMHCが、偶然では説明できないほどに似ていないことが判明しました。特に、MHCの違いはオランダ在住のカップルでもっとも目立ち、反対にイスラエル在住のカップルではMHCの相違があまり見られませんでした。

これらの結果から、ヒトが他者のMHCを嗅ぎ分け、MHCの類似性が低いパートナーを選ぶ能力を持っていることが、はっきりと分かります。その一方で、イスラエルのカップルのケースのように、こうした優先傾向が文化的慣行によって覆されることも。中東では、社会的立場や家庭の慣習などにより、パートナーの選択が制限される場合があります。
そうは言っても、「自分は鼻が利かない」、「鼻炎持ちで…」という方もいるでしょう。もし婚活サービス会社が、登録者のMHC組成を調べてプロフィールに追加するサービスを導入したら、結構好評を得るかもしれませんね。