「甘さ」の原因は神のみぞ知る
この怪奇現象、実はいまだに原因不明だ。
当時採取した海水を調査してみると、普段は約1万ppmある塩分濃度が600ppmまで激減していたことが分かっている。
このことから研究者たちは「大量の雨水により海水の塩分濃度が中和されたのではないか」と推測している。当のムンバイでは怪奇現象の数日前に激しい雨が降っていたそうだ。
海水と淡水では密度が違うため、淡水の方が上層に浮き上がる性質がある。そのためちょうど塩分が薄くなった部分を飲んで「甘い」と感じたのかもしれない。

翌日19日の午前10時半には甘味が薄れていき、同日午後2時には完全に元のしょっぱい海水に戻ったと言う。おそらく時間が経つことで雨水と海水が混ざったと考えられるが、真実はまさに「神のみぞ知る」だ。
この現象は今日でも「インドの聖水事件」として語り継がれている。