技術の進歩に追いつく倫理の醸成を
こうした背景から、ケイェス氏は顔認証技術の普及には真っ向から反対している。本当の意味で人々の役に立つ顔認証技術の活用法はこれまで1つも示されたことがなく、一見有益に見えたとしてもどれも他の技術で代替可能だというのだ。
世に現れて間もないように思われる顔認証技術だが、悪用されるには十分なほどに成熟している。問題は、技術の進歩に追いつくだけの、ルールづくりや倫理の醸成ができていないことだろう。

人の暮らしをより良くするはずの技術が、基本的人権を侵害したのでは元も子もない。人種や性の偏見を減らした上で、透明度の高い方法で、慎重に普及を進める必要がある。
適切に扱うための「知性」を身につけてこその、テクノロジーだ。
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