
■飲み物の嗜好について、味覚に関わる遺伝子よりも精神作用に関わる遺伝子のほうが大きな影響を与えていた
■人々は「味」よりも飲料が持つ「精神作用」を重視している
■研究では「FTO遺伝子」に特定の変異を持つ人は、極端に甘い飲料を好むことも判明した
味覚より「気持ち」重視?
あなたが激ニガのコーヒーやビールを飲んでいる横で、激アマのコーラを飲んでいる同僚がいる。人によってこんなにも飲み物のチョイスに大きな違いがあるのはなぜか?
ノースウェスタン大学、フェインバーグ医学院の研究者らがその疑問を解明すべく、私たちの味覚に関わる遺伝子のバリエーションについての調査を実施した。
A genome-wide association study of bitter and sweet beverage consumption
「気分が良くなる」から飲む
研究の結果、驚くべき事実が判明した。私たちが甘い飲み物や苦い飲み物を選ぶ「嗜好」は、味覚に関わる遺伝子のバリエーションではなく、そうした飲料の精神作用と関連する遺伝子に基づいて決定されていたことが分かったのだ。
研究をおこなったマリリン・コーネルス氏は、「私たちの嗜好の遺伝学的な基礎は、飲料が持つ精神作用的要素と関連しています。人々は気分が良くなるからコーヒーやアルコールを飲むのであり、味で選んでいるわけではないということです」と語っている。
確かに私たちがコーヒーを飲むときは心の鎮静作用を、お酒を飲むときは高揚感を期待しているような気はする。
ミステリアスな「FTO遺伝子」の存在

研究では「FTO遺伝子」と呼ばれる遺伝子の中に、ある変異を持つ人は極端に甘い飲料を好むことも判明した。この遺伝子変異はこれまで肥満のリスクを低下させるものとして知られていただけに、謎が深まる結果だ。
コーネルス氏は、「これは意外な結果です。FTO遺伝子はミステリアスな遺伝子であり、どのように肥満とリンクしているのかは不明ですが、体重管理に関わる行動をコントロールするものとしての役割を果たしているようです」と語っている。
ふだん私たちが何気なくチョイスしている飲料だが、意思決定の際には遺伝的要素や精神作用などの複数の要素がせめぎ合っているようだ。そのことを知っていれば、健康被害を被る前に偏った飲料選択を見直すことができるかもしれない。


















