biology

「モテ」のために99.5%の光を吸収する! 孔雀グモのオスの生態が面白い

2019.05.20 Monday

Credit:JÜRGEN C. OTTO

Point

■オスの孔雀グモの黒い模様スーパーブラックの光を操作する視覚的な構造が明らかになった

■スーパーブラックは光を吸収し、わずか0.5%の光しか反射させない

■スーパーブラックは周囲の色をより明るく見せる錯覚効果があり、メスを引きつけるために進化してきた可能性がある

人間も見習いたい…。

孔雀グモのオスは交尾の可能性のあるメスの気を引くために、ちょっとした視覚的なトリックを使っている。『Proceedings of the Royal Society B』の5月15日付の記事にその詳細が発表された。

Structurally assisted super black in colourful peacock spiders
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2019.0589

孔雀グモの求愛、見た目を重視

孔雀グモのオスたちは、動物界でも屈指の華やかな歌と踊りのショーでメスの関心を引くことが知られている。

このダンスは性的アピールに効果的だと考えられていたが、2015年の先行研究で、その「鮮やかな模様」のほうがダンスより約2倍も重要であることが明らかになった。

これは孔雀グモの視力が、クモの巣を張らず直接獲物に忍び寄って捕まえるために発達しているからだとされている。

しかしこのときの研究では、メスがオスの色鮮やかな柄のどこを見ているのか、オスたちが派手な模様を進化させた理由もわかっていなかった。

次ページ走査型電子顕微鏡による孔雀グモ体表面の様子

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