Point
■既存理論では海王星サイズの惑星が存在しえないと考えられてきたゾーンで、海王星の8割ほどの大きさの惑星NGTS-4bが見つかった
■通常は、仮にそこに天体が存在したとしても、恒星からの強い照射によって表面のガスが蒸発する
■NGTS-4bがガスを留めていることから、ここ最近(過去100万年)の間に現在の場所へ移動してきた可能性がある
ありえない場所で、ありえないものが見つかった。
既存理論では海王星サイズの惑星が存在しえないと考えられてきたThe Neptunian Desert(ネプチュニア砂漠)で、海王星の8割ほどの大きさの惑星が発見されたのだ。
発見したのは、英ウォーリック大学の天文学・天文物理学グループが率いる国際研究チーム。
今回の発見は、The Next Generation Transit Survey, NGTS(次世代トランジットサーベイ)と呼ばれる、太陽系外惑星をトランジット法で観測するプロジェクトの一環だ。系外惑星「NGTS-4b」の存在は、南米チリに設置されたNGTS設備が捉えた観測データに基づき確認された。
https://academic.oup.com/mnras/article/486/4/5094/5475662
ガスを地表に留める「禁断の惑星」
NGTS-4bには、”The Forbidden Planet”(禁断の惑星)というなんとも心惹かれるニックネームが付けられている。NGTS-4bは海王星よりも小さく、地球の3倍の大きさを持っているが、これは既存理論では説明しにくいサイズの惑星だ。
質量は地球の20倍、地表温度は約1,000℃に上り、恒星の周りをわずか1.3日で一周している。
ネプチュニア砂漠は、仮にそこに天体が存在したとしても、恒星からの強い照射によって表面のガスが蒸発し、硬い岩石の芯だけが後に残るのが通常だ。ところがNGTS-4bはいまだに、ガスを地表に留めているという。