Point
■人類の進化は「超新星爆発」が促したという新説が発表される
■爆発による放射能が地球の大気をイオン火させ、強力な雷雨を起こし、アフリカの森林が焼き払われた
■その結果、草原化したアフリカの地上で最も有利になったのが「直立二足歩行」だった
「直立二足歩行」は人類が地上の覇権を握ることになった大きな一因である。手が使えるようになったことで、道具の製作や知能の発達を大きく促したのだ。
しかしながら、人類の先祖が二足歩行に移行した原因は未だ明確ではない。
そんな中、アメリカ・カンザス大学のエイドリアン・メロット教授が「人類の進化は超新星爆発をきっかけに加速した」という驚きの発表をした。この説によって、直立二足歩行の起源も説明されるという。
研究の詳細は、5月28日付けで「Journal of Geology」上に掲載されている。
https://www.journals.uchicago.edu/doi/10.1086/703418
星の爆発が森林を燃やし尽くした!?
メロット教授の仮説は次のようなものだ。
今からおよそ800万年前、地球から164光年離れた星の一群が爆発を起こし始め、それに伴い大量の放射線が宇宙空間に放出された。
放射線の威力は約260万年前にピークを迎え、その影響が地球にまで達し、大気をイオン化させたという。イオン化とは中性の分子から電子を分離することで大きなエネルギーを生ずる。
それによって地球大気はより電導的になって激しい雷雨が発生し始めた。この雷雨がアフリカの森林で山火事を起こし、大部分が消失して草原化されたのだ。
あまりに都合が良すぎるようだが、教授は何も適当に言っている訳ではない。
アフリカの森林で火事が起こった証拠として、その時代に関連する土壌中の炭素量が増加していたことが分かっているのである。火の発明以前に火事を起こせるとしたら、雷の確率はきわめて高くなる。
ましてや土中の炭素量が増加していたなら、山火事以外にはありえそうもないのだ。