色・成分・軌道の理論から「自然な天体」と結論
研究チームはオウムアムアの正体を突き止めるため、これまで発表されたすべての論文を分析し、オウムアムアが元々いた太陽系外の地点から太陽系まで飛行してきたメカニズムをあらゆる観点から検討した。
その結果、オウムアムアの赤みを帯びた色や岩石などの成分が自然の小惑星と共通しており、奇妙な加速についても、加速の程度を考えれば少量のガスでも起こりうるため、噴出が地球から観測できなかったとしても不思議ではない、という結論に至った。
軌道の理論に照らしても、このような小天体が太陽系外からはるばる飛来して来る可能性は十分にあると説明し、UFO説を覆した。
研究チームは、オウムアムアが他の天体を周回する巨大なガス天体から飛び出した小天体である可能性を一例として挙げている。飛び出した小天体の一部が太陽の重力の影響を逃れ、恒星の間をさまよう旅人となったのだ。
一説によると、木星は同様のメカニズムでオールトの雲を作り出したといわれている。
さらにオウムアムアのような恒星間天体は、今後地球近くに毎年飛来する可能性もあるという。オウムアムアがその第一号というわけだ。
そうすれば、オウムアムアが奇妙なものなのか、それともごくありふれたものなのか、自ずと答えは出るのだろう。