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天の川銀河のブラックホールから原因不明の光が発生 一体何が?

2019.08.13 Tuesday

Credit:depositphotos

Point

■天の川銀河の中心部にある超大質量ブラックホールが観測史上最高の光度を記録した

■ブラックホールは光すら吸収してしまうため、正確には周囲の降着円盤の光を指す

■周囲を移動する星々がブラックホールに近づきすぎたせいで、円盤上の物質の流入に変化が起こり強い光が生じた可能性がある

一体何が起きているのでしょうか。

天の川銀河の中心部に位置する超大質量ブラックホールが、観測史上最高の光度を記録しました。

各銀河の中心には必ずブラックホールが存在すると言われており、天の川銀河も例外ではありません。天の川にあるブラックホールは太陽の約410万倍の質量を持ち、「いて座A*(いてざエー・スター)」と呼ばれる電波源に位置していると考えられています。

観測を行なったカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チームによると「いて座A*は20年以上にわたって観測され続けているが、今回確認された光度は従来にないレベルに達していた」とのことです。

ブラックホールに一体何が起きたのでしょうか。

報告の詳細は、8月5日付けで「Arxiv」に掲載されています。

Unprecedented variability of Sgr A* in NIR
https://arxiv.org/abs/1908.01777

降着円盤に何らかの異変

観測が行われたのは、ハワイ島にあるW・M・ケック天文台

研究主任のツアン・ドー氏は「ブラックホールがあまりにも明るすぎるので、最初はS2恒星と思い込んでいた」と話しています。S2恒星とは、いて座A*の非常に近い場所を移動する星のことです。

ドー氏がSNS上に掲載した動画を見ると、いて座A*にあるブラックホールが強く点滅しているのが分かります。斜め左上にあるのがS2恒星です。

一方で「ブラックホールが明るく輝くことなんてありうるのか?」という疑問も当然のごとく挙げられます。

なぜならブラックホールは光すら吸収してしまう天体であるため、ブラックホール自体を直接的に見ることはできないからです。そのため今回観測された強い光も、ブラックホールの周囲に集まっている降着円盤から来ています。

降着円盤とは、ブラックホールの強烈な重力により、近くにある星間ガスやチリが吸い寄せられてドーナツ型の円盤を作る現象です。

今年4月に、M87銀河の中心部にあるブラックホールが初撮影されたときも、周囲に赤く光る降着円盤が見事に撮影されています。今回の異常光度も降着円盤に何らかの異変があったことが関係しているはずです。

Credit: EHT Collaboration

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