平面に描かれた歪んだ世界
実際は曲率を持った図形なのに、無理やり平面に描き出しているのが世界地図です。
そのため、メルカトル図法の地図は、なんの変哲もないように見えて実はぐにょぐにょに歪んでいます。
このため、例えば地球上の2点間を直線で結んだ場合でも、平面の地図上では直線になりません。
下の図は地球の海上でもっとも長い直線を描けるコースを調べた、一風変わった研究ですが、ここに描かれる地球上の直線は、メルカトル図法の地図上に描き直すと、直線とは信じられないほどの曲がりくねってしまいます。
これは逆に平面地図上で2点間を直線で結んでも、それが地球上での最短距離にはならないことを示しています。この図は東京-ロサンゼルス間の最短距離について考えています。地図上では直線で結んだ図1が最短に見えますが、実際地球上を移動する場合には、図2に引かれたルートが最短距離になります。
この様に、世界は曲面上に作られているため、平面で理解しようとすると色々と歪んでしまうのです。
わかっているようで、やはり改めて示されると頭が混乱してしまいますね。
ちなみに、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストで、飛空艇やラーミアを使ってマップ上を移動したとき、地図の北の端を飛び越えると、なぜか南の端から出てきてしまいます。
なんか変だな、と思ったことのある人もいるでしょうが、上で語った通り球面上のマップというのは、実際に作るのはとても複雑で難しいため、ゲームのマップは球面で作られていないのです。
じゃあ、どんな形をしているのかというと、それはトーラス型(ドーナツ型)になっています。
立体を平面に直した場合、色々なところに歪みが生まれます。平面の地図を眺めるときは、実際の世界はどんな構造なのか想像してみるのも面白いかもしれません。