Point
■アメリカ・イリノイ州で、電子たばこが原因で呼吸器疾患にかかっていた男性が死亡
■電子たばこの煙が原因で死亡した事例は世界で初めての可能性がある
■電子たばこは機械トラブルも多く、今年6月には17歳の少年が電子たばこの爆発で顎を砕く大事故が発生している
電子たばこの喫煙による初めての死亡例です。
先週金曜日、アメリカ・イリノイ州で、深刻な呼吸器疾患にかかっていた男性が入院先の病院で死亡しました。
同州の保健局によれば、電子たばこの煙が原因で死亡した例として世界初となる可能性があるといいます。
「電子たばこ」は二重に危ない
イリノイ州の病院では現在、17歳〜38歳の22名が電子たばこ由来の症状で入院しており、他に12名が調査対象となっています。
アメリカ全土ではもっと多く、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の調べによると、22州で193名に達しているそうです。
症状は、咳や息切れ、過呼吸。疲労感、おう吐、下痢など多岐に渡っています。
発症の主原因となる電子たばこの種類や化学物質についてはまだ調査中であり、いくつかの事例では、ニコチンや大麻由来のTHC(テトラヒドロカンナビノール)が確認されています。
また電子たばこは、煙以上に機械トラブルによる危険性も無視できません。
今年6月には、アメリカに住む17歳の少年が、電子たばこの爆発によって顎を砕くという事故が起きているのです。
少年の顎には穴が空いて病院に救急搬送、緊急手術を行ない何とか一命はとりとめています。専門家は「電子たばこがポケットや顔のあたりで爆発する危険性があることを念頭に置いておくべき」と利用者に注意を呼びかけています。
こうした機械トラブルによる事故は以前から多発しており、2015〜17年にかけてアメリカでは、2000人以上が電子たばこの爆発等で緊急治療を受診していることが確認されています。
日本でも入手可能な電子たばこや加熱式たばこは、アメリカのものと少し仕組みが異なるものの、同じように健康上の問題が指摘されています。利用者の方は、煙と機械トラブルの両方に注意したいところです。