ネズミは反射光に恐怖感を抱く
この原因を解明するために、研究チームはカメラやGPSトラッキングを用いて、獲物となるハタネズミ側を細かく観察しました。
確かにネズミは満月の夜になると、体の色に関係なくメンフクロウを先に見つけるチャンスが多くなります。するとネズミは固まって不動状態になり、危機が去るのをじっと待って、良きタイミングで逃走します。これが獲物となる生物の一般的な対応行動です。
しかし面白いことに、ネズミは白いメンフクロウに遭遇したときだけ、不動状態の継続時間が長くなることが判明しました。

これは白い羽毛に反射した月の光によって恐怖感が生じ、動けなくなることが原因だといいます。専門家によると、ネズミのような齧歯類は明かりに晒されると恐怖反応を引き起こす傾向があり、反射光の恐怖は本能的として深く根付いているのです。
つまり、ネズミはメンフクロウの白い羽に反射する光を目にすると本能的な恐怖状態に陥り、返って身を危険に晒す機会が多くなっていたのだと考えられます。
メンフクロウがそれを知って、羽毛を白色に進化させたのかは分かりませんが、こうした関係性が弱肉強食の世界に付き物なのは確かです。