Point
■史上初めてブラックホールの撮影に成功した科学者チームが、2020年にはブラックホールの「映像」が届けられると主張している
■彼らは地球上にある複数の電波望遠鏡をリンクさせ、巨大な仮想望遠鏡を構成することで、非常に高い感度と解像度を実現した
■撮影されたブラックホールは多くの宇宙ファンの心をつかんでおり、このプロジェクトにはさらなるファンディングが見込まれている
宇宙クラスタを歓喜させた、人類史上初のブラックホールの画像の撮影。専門家によると、私たちは遠くない未来にブラックホールの「映像」をみることができるようです。
「イベント・ホライズン・テレスコープ・コラボレーション(EHT)」によって、すでに必要な観測は終わっており、現在大量のデータを処理中。2020年には、不明瞭ながらも最初の映像がお目見えできるとのこと。
「科学界のアカデミー賞」を受賞
プロジェクトを率いる天文学者、シェパード・ドールマン氏は、「10年以内にハイ・クオリティでリアルタイムのブラックホール映像が届けられると思います。そしてそれは、ブラックホールがどんな形をしているのかだけでなく、宇宙のステージでどんなふるまいを見せているのかをも明らかにするものです」と語っています。
また、4月にブラックホールの画像を公開した、世界中の347人の科学者たちから成るプロジェクトチームは、「科学界のアカデミー賞」とも呼ばれる基礎物理学ブレークスルー賞を受賞し、300万ドル(約3億2000万円)の賞金を手にしています。
天文学者たちはかつて、ブラックホールに飲み込まれる光を検出することに成功しましたが、それは、光がどのような形をしているのかを確認できるほど明瞭なものではありませんでした。
その問題を乗り越えたのが今回のプロジェクトであり、地球上にある複数の電波望遠鏡をリンクさせることで、地球と同じサイズの口径を持つ仮想的な電波望遠鏡を構成し、非常に高い感度と解像度を実現したのです。