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■本日3日、直径16〜19mの小惑星3つが、地球近傍を高速で通過していた
■うち1つは、地球から37万kmの地点を通っており、これは月-地球間(38万4000km)よりも内側に当たる
今年7月、猛スピードで地球付近を駆け抜けた小惑星「2019 OK」が話題になったのは記憶に新しいニュースです。
本日10月3日、今度は一軒家サイズの小惑星が地球近傍を高速で通過していたことがNASAの発表で明らかになりました。
「2019 SP3」と呼ばれる小惑星は、今日午前2時33分EDT(東部標準時)に、地球から約37万kmの地点を時速3万kmで通り過ぎたようです。
これは月-地球間(38万4000km)よりも近い距離に当たり、「潜在的に危険性のある小惑星群(PHAs=Potentially Hazardous Asteroids)」に指定されます。
また、2019 SP3だけでなく、別の2つの小惑星「2019 SH9」と「2019 TK」も地球付近をほぼ同時に通過していたとのこと。
幸い3つの小惑星が地球に衝突することはありませんでした。
地球ギリギリを通過した模様
第1陣の小惑星「2019 SP3」は、直径が約19mと非常に小さなものです。
基本的にこのサイズの小惑星なら、おおかた地球の大気圏内で燃え尽きます。しかし、2013年にロシアのチェリャビンスク上空で爆発した直径約20mの小惑星は、1500人以上の負傷者と7000棟以上の建物の損壊を出すほどのエネルギーを持っていました。
もし衝突していたら、付近に大きな被害をもたらしていたかもしれません。
こちらは、2019 SP3の軌道が地球軌道に最接近するシミュレーション動画です。
また、2019 SP3は、PHAs(潜在的危険性のある小惑星)にも指定されていました。
PHAsとは、具体的に、0.05AU(天文単位)以内の最小軌道交差距離に入る小惑星のことです。
1AUが地球から太陽までの距離(約1億5000万km)なので、小惑星が約160万km以内にあれば、PHAsと見なされます。
しかも、今回は地球近傍を通過したPHAsが、他に2つもあったのです。