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■史上2番目の恒星間彗星「2I/ボリソフ」が飛来して来る前にいた太陽系外の環境が、私たちの太陽系に似ている可能性が浮上
■2I/ボリソフが排出するちりの組成や周辺のガスが、私たちの太陽系の彗星と類似
オウムアムアに続き、今年8月末に発見されたばかりの史上2番目の恒星間彗星「2I/ボリソフ」。現在、世界各地が調査にかかっています。
複数の観測結果から、2I/ボリソフが飛来して来る前にいた太陽系外の環境が、私たちの太陽系に似ている可能性が浮上してきました。
ちりもガスもそっくり!?
その名前は、発見したアマチュア天文学者ゲナデイ・ボリソフ氏に因んでいます。自作の望遠鏡を使ってクリミアで観測を行っていたところ、この恒星間彗星を発見しました。
太陽系外から飛来した天体がわずか2年間で2つもあるなんて、かなりスゴいことです。近いうちに別の恒星間彗星も飛来してくるのではないかと、天文学者たちは気が気でありません。
カナリア天体物理研究所が先月発表した論文では、2I/ボリソフが排出するちりの組成が、私たちの太陽系を起源とする彗星が排出するちりに近いことが示されました。
また、クイーンズ大学ベルファストの研究チームによる別の査読前の論文は、この恒星間彗星を取り巻くガスが、私たちの太陽系を行き交う彗星のガスと類似していることを説いています。しかも、ガスの量や、ちりの粒の量も、非常に近いのだとか。