食事内容はウランゲリだけ変化なし
研究チームは、絶滅したマンモスたちの食事変化を調べるために、化石中の炭素や窒素、硫黄、ストロンチウムの含有度を調査しました。この割合の変化により、食事の変化も特定できます。
対象となったのは、シベリア北部とアラスカ、カナダ北西部のユーコン、そしてウランゲリ島から発掘されたマンモスの化石です。これらの化石に属するマンモスの生息年代は、約4万年前〜4000年前と大きな幅があります。

しかしその中でウランゲリ島のマンモスだけ、化石中の炭素や窒素の割合に変化が見られませんでした。これはウランゲリのマンモスが、比較的安定した食料摂取が可能だったことを示しています。
ウランゲリのマンモスが長く生き延びたのは、このような理由からだと考えられます。
しかしこの孤島も、温暖化の影響で岩石が風化し、その成分である硫黄やストロンチウムが川へと流れ込み、飲み水の質が低下していました。隔離された空間は、彼らにとって決して「楽園」と呼べるものではなかったのかもしれません。