Point
■地球から約600光年の場所にて、形成段階にある若い連星が観測史上初めて発見される
■巨大円盤から連星に向かって落ち込むガスやチリの物質は、不思議なことに、小さい方に優先的に流れ込んでいた
同じ重心を共有して回転する2つの星、これを「連星(Binary star)」と呼びます。
連星はまったく珍しいものではなく、専門家の話では、目に見える星の半分以上は連星である可能性が高いそうです。
これまでにも数多くの連星が見つかっていますが、それらはすべて、連星としてすでに形成を終えたものに限られていました。
ところが今回、マックス・プランク研究所(ドイツ)の研究により、観測史上初となる「形成段階にある若い連星」が発見されたのです。
近そうで実は遠いお互いの距離
「[BHB2007] 11」と命名された、若き連星の高解像度イメージがこちら。
連星は、地球から「へびつかい座」の方向に約600光年離れた暗黒星雲の中に位置しています。年齢は10万~20万年ほどで、私たち人間からすると膨大な年数ですが、星の世界ではまだまだひよっこです。
画像を見るかぎり、星同士の距離はかなり近く見えますが、実際には28AU(天文単位)も離れているそう。1AUは地球と太陽との距離に当たるので、28AUだと、太陽から海王星くらいまでの距離に相当します。