人間への応用も可能?
この研究は、まだ「試しにやってみた」というレベルに近いものになります。
藻類が血中の環境でどれだけ生存できるかも不明です。また人間を含む動物についても、異物を血中へ迎え入れるにあたってどのような影響があるか、どの程度なら耐えられるのかといった点が明らかとはなっていません。
臨床実験を行うのは尚早というもので、その可能性は低いだろうと報告を聞いた神経学者は語っています。
しかし、オタマジャクシの切断された神経細胞が藻類の光合成で息を吹き返したという点は、驚くべき発見です。同じ神経学者はこの成果が、脳卒中を含めた低酸素脳症の治療法に新たな可能性を与えてくれるかもしれない、と期待を寄せています。
研究チームは今後、藻類が脳内で他にどのような仕事を行えるかを調査していくことを計画しています。光合成は酸素の他に、グルコース(ブドウ糖)も生成します。こうした栄養自体も供給することが可能になるかもしれないのです。

そうなると、人間は光を浴びることで身体に栄養と酸素を豊富に与えることができるようになり、食糧問題の解決にも繋がるかもしれません。
「食事に行こうか」とパートナーを誘う代わりに、日当たりのいい場所へ「一緒に光合成しに行こうか」 と誘う日が来るのかもしれません。