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中国で「ウイグル民族だけ」をAIで自動的に特定する監視カメラが問題に

2019.11.13 Wednesday

Credit:ipvm.com
point
  • 中国で、少数民族「ウイグル人」を自動的に特定する監視カメラが問題となっている
  • ウイグル人は中国国内で最も迫害を受けている民族で、監視カメラで入手された情報は、個人の追跡や特定に使用されている

中国の防犯カメラ・レコーダー企業、「HIKVISION(ハイクヴィジョン)」の発表した監視カメラが波紋を広げています。

監視カメラのモデル「DS-2CD7A2XYZ-JM/RX」は、AI技術により中国国内に住むウイグル人を自動的に追跡・特定する機能を持つカメラです。

ウイグル人は世界で最も迫害を受けている少数民族の一つです。この監視カメラがテクノロジー時代の新たな人種差別を生む恐れがあり、糾弾を受けています。

ウイグル民族をピンポイントで特定

問題の監視カメラ/Credit:ipvm.com

現在は非公開になっていますが、以前まで表示されていたウェブ上の商品説明には次のような記載がありました。

「対象者の性別(男性、女性)、人種(漢民族、ウイグル族)、肌の色(白、黄、黒など)、眼鏡・マスク・帽子を着用しているか、ヒゲがあるかどうかなどを90%以上の正確性で分析可能です」

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漢民族(左)とウイグル民族(右)/Credit:ipvm.com

中国国内には、56の民族が住んでいると公式に発表されていますが、この監視カメラは2つの民族グループしか識別しません。1つは、国内最大のグループである「漢民族」、もう一つは最も迫害を受けている「ウイグル民族」です。

漢民族は国内人口の90%以上を占めており、一般に海外から「中国人」と呼ばれるのは漢民族に当たります。対するウイグル民族は、主に中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区に住む少数民族です。

中国国家は近年、推定100万人のウイグル人を再教育キャンプに派遣し、この地域にきわめて介入的な監視体制を敷いています。

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ウイグル自治区(赤)/Credit:ja.wikipedia

監視カメラに搭載された顔認識技術は、ウイグル人の容姿に基づいて彼らだけを選別し、その後の人物調査や捜索のために詳細な個人データを保存しているようです。

ウイグル人権保護団体のルイーザ・グレーヴ氏は、セキュリティと映像監視に関する海外メディア「IPVM」の取材に対し「監視カメラはウイグル人にとって新たな恐怖となる」と話しています。

「ウイグル居住区域は、24時間365日体制で厳しい監視下に置かれており、ウイグル人の大量抑留や拷問、強制労働の動きが強められています。ハイクヴィジョンは、そうした歴史的規模の犯罪に直接加担しているのです」。

現在、該当ページは非表示に/Credit:ipvm.com

IPVMの調べでは、他の国内メーカーが販売している監視カメラの中に、今のところウイグル認識機能を搭載しているモデルは見つかっていないとのこと。

またIPVMから監視カメラについて質問を受けた後、ハイクヴィジョンはウェブ上の該当ページをすぐに非公開にしました。

この問題に対するハイクヴィジョンの迅速な対応を鑑みれば、まだ他の企業も同様にウェブページを非表示にしている可能性も考えられます。

現在ハイクヴィジョン社は、IPVMの追加質問に対しても沈黙を貫いているようです。

もはや見分けがつかない。中国の「AIアナウンサー」が自然すぎて世界に衝撃が走る

reference: ipvm / written by くらのすけ

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