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JAXAの衛星「つばめ」が超低高度からの地球観測で世界記録!ギネス認定される (2/3)

2019.12.27 Friday

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超低軌道の飛行を実現した「つばめ」のイオンエンジン

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つばめの外観図 /Credit:JAXA

「つばめ」は高度180〜300kmの超低軌道を飛行しましたが、この辺りだと高度600kmより大気の密度は1000倍高くなり、大気抵抗も1000倍に増加します

こうした状況で軌道を維持するには、まず燃料の消費をいかにして抑えるかが問題になります。

これを解決したのが、通常使われるガスジェットより燃料の効率が10倍良いイオンエンジンです。このエンジンは、JAXAの有名な小惑星探査機「はやぶさ」にも採用されています。

「はやぶさ」も一人宇宙へ旅立って、補給もなしに長期間のミッションを実現していましたが、これには非常に燃費効率の良いイオンエンジンが活躍しています。

イオンエンジンは燃料をプラズマ化し、プラスイオンだけを取り出してその静電気によって加速します。その推進力は非常にわずかで、たった2g(1円玉2枚)程度しかありませんが、これは超低軌道の薄い大気抵抗をキャンセルするには十分な力です。

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イオンエンジンスラスタの外観。/Credit:JAXA

ただ、これは別にイオンエンジンが非力ということではありません。電気推進は理論上は電力を上げていけば、その分いくらでも大きな推進力を生み出すことが可能と言われていて、謎の大電力があれば、光の速度まで到達できます。

ただ、ここで重要なのは燃費がいいという部分です。イオンエンジンを使えば燃料のスペースも少なくて済むため、その分機材を載せるスペースも確保できる上、空気抵抗を減らすための小型化も実現できます。

このイオンエンジンの存在によって、「つばめ」は長期間の超低軌道飛行を実現したのです。

次ページ「つばめ」の果たした超低軌道飛行の意義

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