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オーストラリア火災がひどすぎてサイレンを真似をするようになった鳥

2020.01.11 Saturday

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オーストラリアのカササギ。/Credit:pixabay

カササギはオーストラリアに生息している鳥類の一種で、とても賢く幅広い音を作る発声器官を持っています。

鳥の発声器官を便宜上「声帯」と呼んでしまう場合もありますが、鳥は鳴管と呼ばれる喉の器官と嘴の形状や舌を使って豊かな音を作っています。

そしてカササギは周囲でもっとも頻繁に聞こえる音を真似して鳴き、その種類は犬の鳴き声から機械のモーター音まで様々です。

本来なら微笑ましい彼らの鳴き真似ですが、オーストラリアを襲う大規模な森林火災の影響で、住宅街のカササギが消防車のサイレンを模倣して鳴くようになってしまったという動画がYoutubeに投稿されました。

オーストラリアの大火災は連日報道されているので、心を痛めている人も多いでしょう。

消防車のサイレンがもはや日常の音と化してしまっているという、オーストラリアの悲惨な現状を別の角度から伝えるものとなっています。

カササギという鳥に馴染みのある人は少ないかもしれませんが、日本でもよく見られる鳥で、宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」では、女の子がカラスと間違えて指差したことで、「あれはカササギだ!」とカムパネルラがキレるシーンが登場します。

そんな風に描写される通り、カササギはカラス科の鳥で遠目に見るとちょっとカラスに似ています。そのためかわかりませんが、カササギもカラス同様鳥の中では脳が大きく、優れた認知能力を持っています。

鳥はコミュニケーションのために鳴き声がとても重要な役割を持つため、仲間の鳴き声を真似て覚えていきます。仲間の鳴き声は普段もっとも身近に聞こえる音なので、鳥たちは習性として普段からもっとも頻繁に聞こえる音を模倣するのです。

インコや九官鳥が人の声でしゃべるのは、意味がわかって喋っているわけではなく、優れた声帯とこの身近な音を真似る習性が合わさって起きるものです。「オハヨウ」としゃべるインコは、挨拶してるのではなく、飼い主がもっとも頻繁に口にする言葉が「オハヨウ」だったのでしょう。

そのため、カササギもその優れた認知能力と声帯を用いて、身近で頻繁に聞こえる音を分別して真似をします。

そのカササギが消防車のサイレンを真似するようになったというのは、今オーストラリアではどんな音よりも頻繁にそれが鳴り響いているという証拠なのです。

オーストラリアのニューサウスウェールズ州では、1月6日の辞典で136の火災が確認され、死者は24人、1000棟を超える建物の消失が報告されています。

こうしたすさまじい火災の影響は、ひまわり8号の衛星写真にも映っており、火災で発生した猛烈な煙が宇宙からも確認できます。下の画層の右下に映る雲に混じった茶色い煙が火災により発生したものです。

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ひまわり8号による2020年1月1日のオーストラリアの衛星写真。森林火災により発生した煙(右下の茶色い雲)が衛星からも確認できる。/Credit:RAMMB/CIRA/CSU

野生の動物たちに及ぶ被害はさらにひどく、9月に始まった山火事から現在に至るまでに4億8千万匹の動物が被害にあっていると推定されています。

見守ることしかできない状況ではありますが、早期に鎮火してくれることを祈らずにはいられません。

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reference: zmescience / written by KAIN

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