- カッシーニが運用終了間際に撮影した土星オーロラの写真が公開される
- カッシーニは2004年から13年間にわたり運用し、2017年の土星大気圏への突入をもって運用終了している
カッシーニは、NASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(欧州宇宙機関)により開発された土星探査機です。1997年に打ち上げられ、2004年に土星軌道入りしてから13年の間、土星の画像データを地球に送り続けました。
2017年9月15日に土星の大気圏に突入し、最期を迎えましたが、カッシーニが撮影した画像は現在も分析が続けられています。
上の画像は、運用終了間近の8月20日に撮影された土星のオーロラの画像です。土星自体は2016年に撮影されたものですが、そこにオーロラ画像がそこに重ね合わせられています。
カッシーニの最後の奮闘のおかげで、これまでにない高解像度の土星オーロラを入手することに成功したのです。
研究の詳細は、昨年12月24日付けで「Geophysical Research Letters」に掲載されました。
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/2019GL085800
カッシーニが遺した貴重な写真
カッシーニが遺したオーロラ画像を研究するのは、イギリス・ランカスター大学の天文学研究チームです。
土星のオーロラは、太陽から放出される太陽風と、急速に回転する土星の磁場との相互作用によって発生します。
研究主任のアレクサンダー・ベイダー氏は「カッシーニのおかげで、これまでは見ることのできなかったオーロラの細かなメカニズムの情報を与えてくれる」と話します。
例えば土星オーロラは、木星のそれと同様に、地球のオーロラよりもはるかに強力な粒子によって生成されることが判明しました。それと同時に、3つの惑星に見られる物理的なメカニズムには類似性も見られています。
しかし、解明すべき点がまだ多いのも事実です。そのためにも、カッシーニの遺した画像は大変貴重なものとなっています。
ちなみにカッシーニが撮影した最後の写真は、下の動画でも確認できます。オーロラよりは地味ですが貴重な画像です。
カッシーニよ永遠に。