今からおよそ3億年前、地球の陸地は1つにくっついた超大陸となっていました。これはパンゲア大陸と呼ばれています。
上の地図は、そんなパンゲア大陸に、現代の国境を描いたものです。
空から見た地球に国境線なんてない! と平和主義者が怒り出すかもしれませんが、こうして国境線を引くことで、現代の土地がかつてはどこにあったのかが非常に明快にわかるようになるのです。
知識として知ってはいても、大陸が大きく動きまわっているというのは、なかなかイメージが難しい話ですが、こうして国境のある地図で描かれると、いかに大地がダイナミックに変化したが理解できます。
日本はどこ?
この地図から日本を探すと、パンゲア大陸の北端(左上)に濃い緑色の領域で描かれているのがわかります。
かつて、日本はあんな場所にあったんですね。
陸地が移動するという事実は、1912年にドイツの気象学者アルフレート・ヴェーゲナーにより提唱されました。これは「大陸移動説」と呼ばれています。
ヴェーゲナーは世界地図のアフリカ大陸と南アメリカ大陸の沿岸線が、まるでパズルのようにピタリと噛み合うことから、「大陸移動説」を思いつきました。
実際は、もっと昔の地図製作者たちの中にも、こうした事実に気づいた人はいました。しかし地質学や、古生物学、地球物理学など学術的な資料を元にして、きちんとした論文として提唱したのはヴェーゲナーが最初でした。
日本では、物理学者で随筆家の寺田寅彦がヴェーゲナーの説に賛同して、日本列島が弓状に並んでいるのは、アジア大陸から分離して日本海が形成されたときに取り残された陸地だからである、という考えを示しました。
確かに上の地図を見るとそれも理解できる話です。