人類滅亡の預言書か、旧約聖書の原型か、はたまたキリストの謎を解き明かす手がかりか。
とかくオカルト民の間で注目を浴びている「死海文書」ですが、「誰が書いたのか」はその内容と合わせて長く謎に包まれていました。その中で有力な説としてあがっていたのが、「クムラン教団」と呼ばれるユダヤ教内エッセネ派系の宗教共同体です。
今回の発見は、その謎めいた宗教団体が執筆者という仮説を後押しするものとなりそうです。
http://www.asor.org/wp-content/uploads/2017/06/ASOR-Program-2017-online.pdf
イスラエルのクムランで、33の人骨が発掘される
11月16日、イスラエルの人類学者ヨシ・ナガール氏は、死海文書が発見された洞窟の近くで新たに33人の埋葬者の骨が見つかったと発表しました。
死海の北西岸の町クムランで発見された骸骨は、放射性炭素年代測定では2200年前のものです。これは死海文書が書かれた紀元前150年から70年に近いと推定されています。
エッセネ派は厳格な律法遵守や独身主義によって結ばれた閉鎖的・秘教的な結社でしたが、これら33個の骨はほぼ20歳〜50歳の独身男性のもので、これまでの「エッセネ派説」の信憑性を高めています。
ナガールは、アメリカ東洋研究学校の年次総会でこう述べました。
「この研究は、最初期の理論である『独身男性をイデオロギー的に支援していた』クムラン社会の独自性を証明しています。最新の人口統計学と解釈では、未成年と女性は骨のサンプルが無く、その後の子供の人口と成人の年齢の死亡分布は、当時の砂漠の修道院と一致しています」