そして、探査機ジュノーによる測定
探査機ジュノーは2011年に打ち上げられました。
ガリレオ探査の教訓から、ジュノーは木星全体の広い地域を測定することを目指しました。
ジュノーは深宇宙の惑星探査に利用されるマイクロ波放射計(MWR)のアンテナを6つ搭載していて、上空から複数の深さの木星大気温度を、同時に測定できます。
温度を測定してどうするんだ? と思うかもしれませんが、マイクロ波放射計は温度測定で水の存在を発見する装置です。
これは、水が特定波長のマイクロ波を吸収する、という性質を利用しています。要するに電子レンジで食品を加熱するのと同じ原理です。
温度測定はマイクロ波放射を吸収した分子量を特定し、深大気中の水とアンモニアの量を特定するのです。
ジュノーの科学チームは、最初の8回の調査飛行で収集されたデータを使い、今回の発見を行いました。
調査は木星の赤道域に対して集中的に行われました。これは赤道域の大気が他の地域より、よく混合された状態に見えるためです。
ジュノーの調査は、深度150キロメートル(約33気圧)に達するガリレオよりもさらに深い木星大気まで行われました。
その結果、赤道の水分はガリレオが測定したものよりずっと多いことがわかりました。
木星の赤道付近は非常に独特の環境であるため、正確なことは、木星のもっと別の地域も測定して比較しなければわかりません。
現在ジュノーはゆっくりと北上して北半球の調査を進めています。
科学チームは、木星の水分含有量が緯度や地域によってどのように変化するのか、また巨大な嵐の吹き荒れる局地ではどの様になっているのかを、今後調査していきます。
木星調査は、科学者にとっては新しい発見の連続だと言います。ジュノーは、4月に25回目の調査飛行を行う予定です。