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ビッグバン以来、宇宙史上最大の爆発が観測される「銀河に穴が」

2020.02.29 Saturday

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「チャンドラ」と「XMM-Newton」のX線観測、および「MWA」と「GMRT」のラジオ電波観測のデータの組み合わせから得られた銀河団の穴。/Credits: X-ray: Chandra: NASA/CXC/NRL/S. Giacintucci, et al., XMM-Newton: ESA/XMM-Newton; Radio: NCRA/TIFR/GMRT; Infrared: 2MASS/UMass/IPAC-Caltech/NASA/NSF
point
  • へびつかい座銀河団で、史上最大規模の爆発が発見された
  • この爆発でできた銀河団の穴は、銀河15個を一列に並べられるほどの大きさ
  • 原因はブラックホールのジェットと考えられるが、規模的に特殊な条件があったと推測される

ビッグバンを除けば宇宙の歴史上で最大規模と考えられる爆発が検出されました

場所は地球から3億9000万光年離れたへびつかい座銀河団です。

銀河団は宇宙でもっとも巨大な構造物で、数千の銀河を含みますが、この爆発のあったと考えられるポイントには、天の川銀河15個分に及ぶほどの巨大な穴が開いてしまっているといいます。

この爆発の発見に貢献した世界の4つの高性能望遠鏡のデータを組み合わせて、最初のX線観測ではあまりに規模が大きいために見間違いだと思われていたようです。

現在、原因ははっきりしていませんが、おそらく活動銀河核のジェット噴出が関係しているだろうとのこと。

この研究論文は、アメリカ海軍調査研究所のSimona Giacintucci博士を筆頭とした研究チームより発表され、天文学の科学雑誌『The Astrophysical Journal』に2月27日付けで掲載されています。

Discovery of a Giant Radio Fossil in the Ophiuchus Galaxy Cluster
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/ab6a9d

宇宙史上最大の爆発

今回話題の爆発跡は、NASAのX線宇宙望遠鏡「チャンドラ」、欧州宇宙機関 (ESA) のX線観測衛星「XMM-Newton」のX線観測データ、および豪州ICRARの低周波電波望遠鏡「MWA」、インドの巨大メートル波電波望遠鏡「GMRT」の電波観測データから発見されました。

世界に名だたる4つの高性能望遠鏡が見つけ出したのは、へびつかい座銀河団に空いた巨大な穴でした。

調査の結果、この穴を開けた爆発は、これまでの宇宙爆発の記録保持者を優に超える規模だったと推定されました。

これまでの宇宙でもっとも巨大な爆発は、2003年にチャンドラ望遠鏡によって銀河団「MS 0735.6 + 7421(略してMS 0735)」で発見されました。

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かつての宇宙爆発記録保持者。MS 0735の爆発痕。チャンドラによるX線観測画像(左)と、データを元に書き起こしたイメージ図(右)。銀河団のガスに巨大な2つの空洞ができているのがわかる。/Credit: NASA/CXC/Ohio U./B.McNamara

そこには巨大な銀河団の高温ガスの中に、上下に2つ巨大な穴が空いているのが見つかりました。この銀河団に空いた穴は、それぞれの直径が60万光年もあります。

しかし、今回のへびつかい座銀河団の穴は、この爆発の5倍の規模だったと考えられ、銀河団に開いた穴のサイズは、天の川銀河の15個分と表現されています。

天の川銀河の直径は10万5700光年なので、約158万光年を超えるような大きさ、ということになります。

一体何が、宇宙でこのような巨大爆発を引き起こしたのでしょう?

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