カンタン?なABC予想解説!
ABC予想とは、3つの自然数の特別な関係を証明したものになります。
予想がどのようなものであるかを理解するには「rad」という、簡単な概念を理解するだけで十分です。「rad(●)」とは、「●の部分にある数字の中にある素数だけを掛け合わせて下さい」という記号で、「根基 (radical) 」の略です。
大丈夫です。すごーく簡単で、簡単すぎることをなんでこんなに難しく書くんだ? と問いたくなるレベルですから。
ではまずは、「rad(8)」を例にとります。
8は2の3乗なのでrad(8)はrad(23)と書き直すことができます。
ここまでは、大丈夫ですよね?
流石に8=23がわからない人は…いません、よね?
このときrad(23)の答えは、乗数を無視して「2」になるんです。
rad(23)=「2」
え、それだけ?
と思うかもしれませんが、「rad」はそれだけの簡単な概念なのです。
同じように、
rad(25)はrad(52)となり、答えは乗数を無視した「5」になります。
またrad(50)など乗数だけでは表せないものについては、掛け算の組み合わせに分解します。
つまり…
rad(50)=rad(25×2)=rad(52×2)となり、あとは乗数を無視して掛け算(5×2)を行い、rad(52×2)=5×2=10となります
またrad(45)のときは…
rad(45)=rad(9×5)=rad(32×5)=3×5=15
になります。
さて、radがわかったところで、いよいよABC予想の根幹を示します。ABC予想とは、3つのa,b,cという数が、任意(適当)の数「ε」のもとに、
という数を満たす「a,b,cの組み合わせが、ほんの数個しかないことを証明する問題」だったのです。
radの次のカッコの中に「abc」と固まっている部分は「a×b×c」という意味です。
一見すると、簡単に証明できそうですね。
でも、誰も証明できなかったんです。そう、望月教授を除いては。