ジェットは「光速の99%」で移動していた!
採取したデータを解析した結果、3C 279のブラックホールから噴射するジェットを、これまでにない鮮明さでの画像化に成功しています。
画像は3パターンの波長で撮影されました。
右側の大きい画像は、2017年4月11日に波長1.3mmの電波で、左上は、同年4月16日に波長7mmの電波で、左下は同年4月1日に波長3mmの電波で撮影されたものです。
これらの画像から、普通はまっすぐに伸びるジェットが少しねじれていることが分かっています。
また、ジェットは、観測方向(地球側)に向かって光速の99.5%ものスピードで移動していることも判明しました。
一般的に宇宙空間において、光より速く移動できる物体は存在しません。しかし、3C 279のジェットは、これほどの速度で動いているため、「見かけ上は」光速の20倍で移動しているように見えます。
これは、物体が光速に近いスピードで観測者の方向に近く時に起きる現象で、「超高速運動」と呼ばれます。
研究チームは、「3C 279は、昨年撮影されたブラックホール(M87に位置し、地球からの距離は約5500万光年)よりもはるかに遠く、撮影にはこれまでにない望遠鏡の視力が必要と思われました。
しかし、今回の結果により、EHTが、遠くにあるジェットの撮影にも有効であることが証明されました」と話しています。
EHTのプロジェクトチームは、今後、望遠鏡の数をさらに増やすことで解像度を高め、史上初となるブラックホールの動画撮影に挑むとのことです。