「社会的距離」は有効か?
現在、飛沫による感染拡大を防ぐため、「社会的距離(Social Distance)」を取ることが推奨されています。
一般的に取るべき社会的距離(人と対面で話す場合)は、1.5〜2メートル以上です。しかし、外でのウォーキングやジョギング、サイクリングでは、また距離が変わってきます。
オランダ・アイントホーフェン工科大学は、これらを2人で行う場合の必要距離をシミュレーションしました。
研究主任のバート・ブロッケン氏は「ペアで行う場合、縦並びの方が感染リスクは高まる」と指摘します。
当然ながら、走っていると飛沫は後方に飛ぶので、後ろにいる人は危険です。
「縦並びで歩く場合は、最低でも4〜5メートル、ジョギングの場合は10メートル、サイクリングなら20メートルは必要」と同氏は言います。
しかし、この距離は気候条件が穏やかな場合に限ります。
風が強い日や風向きによっては、上にあげた距離はまったく意味をなしません。
そのため、社会的距離は、室内環境や天候に左右されない場合の目安程度に考えた方が懸命でしょう。