新型コロナウイルスの影響で外出の機会が減ったとは言え、食料や生活必需品を買うためには、どうしても外に出なければなりません。
そこで懸念すべきは、店内など狭い室内での感染です。
実際、室内ではどれほどの感染リスクがあるのでしょうか。
その危険性を3Dシミュレートした映像が、アールト大学、ヘルシンキ大学など、フィンランドの複数の研究チームにより公開されました。
本研究は、感染者の咳・クシャミが、1度でどれほど室内に拡散するかをシミュレーションしたものです。
数分で店内の広範囲まで拡散!
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の主な感染経路は、感染者の飛沫です。
飛沫感染では、ウイルスが咳やクシャミにより体外に排出され、空気中に散布されます。
空気感染とは違い、ウイルスが唾液や鼻水などの水分に包まれているため、その重みで排出後すぐに落下するのが特徴です。
しかし、風の条件や感染者のマスクの有無などで、飛沫の飛距離は変わります。また、飛沫は目にも見えないため、その拡散力を知ることは重要でしょう。
こちらが、食料店内を想定した飛沫拡散のシミュレーション映像です。
棚を挟んで、2つの通路にそれぞれ人がいます。
右側が感染者で、咳・クシャミを1度行ったと想定します(マスクはしていません)。上側のゲージは移動時間(分)を、右側のメーターは飛沫の高さ(m、黄色が高く、青は低い)を表します。
すると、飛沫は1分足らずで反対通路まで移動し、2〜3分後には、店内の広い範囲にまで拡大しました。
研究チームは「シミュレーションの結果、飛沫の塊は、予想とは反対に、長時間、空気中に留まることが判明しました。拡散力も高く、食料品店に行く場合は、できる限り混雑する時間帯を避けた方が良いでしょう」と指摘します。