分かれ道は1300万年前
それぞれのマタマタから75個のDNAサンプルを採取し、分析した結果、遺伝的にも形態的にも区別される2種類目の存在が特定されました。
新種のマタマタは、すでに知られているマタマタ種(Chelus fimbriata、アマゾンに生息)とは別に、Chelus orinocensis(オリノコ川流域に生息)と命名されています。
チームは、2種のマタマタについて、「およそ1300万年前の中新世後期に分岐した」と考えています。
というのもこの時期は、アマゾン川とオリノコ川が、今日あるような2つの流域に分裂した頃でした。
これにより、同地の生物たちも空間的に2グループに分裂し、マタマタも遺伝子的に分かれたと推測されるのです。
また、これまでは「絶滅危惧種に指定するほど数は少なくない」とされていましたが、種が2つに分かれているならば、必然的に種ごとの個体数は少なくなります。
さらに、密猟や違法取引は増加傾向にあり、保護を怠れば一転して絶滅の危機に陥るかもしれません。
同チームは「手遅れになる前にマタマタの保護活動を進めていく」と話しています。
研究の詳細は、4月9日付けで「Molecular Phylogenetics and Evolution」に掲載されました。