カッテージチーズができる原理「塩析」とは?
それでは、なぜ牛乳にレモンを加えると牛乳の成分が分離したのでしょうか? これには牛乳の成分と「塩析」という化学反応が関係しているんです。
牛乳の成分「コロイド」とは
実は牛乳の主成分は90%以上が水で、残りはタンパク質や乳脂肪、糖などからできています。乳脂肪やタンパク質は目で見ることはできませんが、原子や分子よりは大きい「コロイド粒子」と呼ばれています。
牛乳には様々な種類のコロイド粒子が含まれていますが、その中の「カゼイン」というタンパク質は水に溶けやすい性質(親水性)と溶けにくい性質(疎水性)を持ちます。
本来なら、牛乳中の脂肪分は油なので水には溶けませんが、この「カゼイン」と合体することで水に溶ける物質に変化します。
周りを囲む「カゼイン」のおかげで脂肪分は水に溶けていられるんですね。
塩析って?
脂肪分を水に溶かす「カゼイン」ですが、熱や大量の酸を加えると破壊されて、脂肪分と水を分離させてしまいます。この化学反応を「塩析」といいます。
実験ではポッカレモンの酸によって、「カゼイン」が破壊されて脂肪分が分離したわけですね。
美味しく食べるだけじゃなく、化学の勉強までできてしまう「カッテージチーズ」。ぜひ、家で作ってみてはいかがでしょうか。