19世紀、イングランド南部のジュラシック・コーストで、ある化石が発見されました。
その化石は2体の古代生物と判明したものの、高度な分析器具もなかったため、現代に至るまで詳しく研究されていませんでした。
しかし今回、イングランド・プリマス大学の最新研究により、その化石が古代のイカが獲物を襲撃する瞬間であると判明したのです。
さらに年代測定の末、約2億年前の「シネムーリアン期」に遡ることも分かりました。
同じような化石は以前にも見つかっていますが、その最古のものより1000万年以上も古いとのことです。
「イカ襲撃」の貴重な瞬間がここに!
化石の全体像がこちら。
左が「Clarkeiteuthis montefiorei」という古代イカで、右が餌食となった「Dorsetichthys bechei」という魚です。
魚の頭部の骨はイカの攻撃によって完全に砕かれ、その周りにはまだ「イカの足」が絡みついています。
プリマス大学研究主任のマルコム・ハート名誉教授は「ジュラシック・コーストの地層からは、19世紀以来、古代軟体動物の化石が数多く発見されてきました。中には、古生物の生態について教えてくれるもの、例えば、今回のように捕食の様子を保存した化石も含まれています。しかし、そうした化石はごく稀にしか見つからないため、非常に貴重な資料です」と話しました。